大事に至る前に!ヒートショックを防止する考え方や対策方法

知っ得豆知識 知っ得豆知識

大事に至る前に!ヒートショックを防止する考え方や対策方法

ヒートショックという言葉をご存じでしょうか。

冬になると、テレビやインターネットなどで取り上げられることも多いため、言葉自体は目にしたことがあるかもしれません。しかし、具体的にどのような内容で、どのように対策をするべきなのか正しくは理解していない方は多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、ヒートショックの概要や対策方法などを網羅的に解説します。

ヒートショックは誰しもに起こりうるものですので、きちんと理解しておきましょう。

ヒートショックとは

ヒートショックとは、体外の急激な寒暖差によって血圧が上下することにより身体にダメージを与えてしまうことです。特に冬期に発生しやすく、主に暖房の効いた暖かいお部屋から冷えたお風呂場に移動し、熱い湯船に急に浸かることで起こるとされています。

このとき「暖かいお部屋で血管が拡張し血圧が低下している状態」から「冷えた場所で血管が収縮し血圧が急上昇」します。急激な血圧変化が起きているところに、さらに再度熱い湯船に浸かることで急激に血圧が上下してしまいます。

人体は急激な血圧変化にとても弱く、軽い症状では立ち眩みやめまい、重い症状であると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし、死に直結する場合もあります。

事実、厚生労働省の人口動態統計によると、2018年に自宅の浴槽で亡くなった人数は5398人であり、溺死以外も含めると年間ヒートショックで死亡する人は約1万9000人ほどいるとされています。

ヒートショックが起こりやすいのはどういう人?

65歳以上の高齢者、75歳以上の後期高齢者

最もヒートショックに注意すべきなのは、65歳以上の高齢者、特に75歳以上の後期高齢者と呼ばれる人でしょう。加齢や生活習慣病によって動脈硬化が起こる可能性が高まりますが、動脈硬化した血管が血圧の上下に耐えられずに破れて、脳出血が起こってしまうリスクがあります。

熱いお風呂を好む人

熱いお風呂を好む人も注意が必要です。

ヒートショックの原因は体内と体外の急激な温度差によって引き起こされるため、熱いお風呂から出た際の温度変化によりヒートショックが引き起こされる可能性があります。軽度の立ち眩みやめまいを感じた場合は、転倒の恐れがあるため無理に立ち上がろうとせず、体制を低くしたまま症状が治まるのを待ちましょう。

飲酒後に入浴をする人

飲酒後に入浴をする人も注意してください。飲酒をすることで血管が拡張され、血圧の低下を引き起こします。血圧が低い状態で寒い場所に行くと、体内と体外の温度差を感知し、血圧を上昇させます。この血圧の上下がヒートショックを引き起こします。また、飲酒をすることで思考力や判断力が低下し、浴槽などでの転倒の可能性も上がるため、入浴はなるべく控えると良いでしょう。

ヒートショックが起こった人への応急処置

浴槽の中で沈む状態で気を失っているのを発見したら、浴槽の水を抜き、浴槽内から引き上げて下さい。浴槽から引き上げるのが難しい場合は、中の水を抜いた状態で速やかに救急車を呼ぶと良いでしょう。

脱衣所などで倒れていた場合は、意識があるかを確認し、意識が無い場合や、意識があるがろれつが回っていない場合などは、速やかに救急車を呼びましょう。

救急車の到着を待つ間は、頭を打った可能性があるので、嘔吐による異物がのどに詰まることを避けるために顔を横向きにします。

ヒートショックを防ぐためには

まずヒートショックを防ぐために有効な方法は、とにかく体外の温度の急激な変化を防ぐことです。体外の温度の急激な変化によって、血圧の上下が激しくなり、血管や心臓が耐えられなくなることで症状を引き起こすため、急激な温度変化を防ぐことを意識してください。

浴室や脱衣所を温める

脱衣所に簡易的な暖房器具を取り付けることで、急激な温度変化を防ぐことができます。

浴室内に暖房器具を取り付けることができなくても、お風呂をためた後に、浴槽の蓋を外しておくだけで、熱気が浴室に充満し温度を上げることができます。

ぬるま湯を浴びる

いくら体外の気温が暖かくても、熱い湯船に急に浸かることは危険です。湯船に浸かる前にシャワーなどを使い、お湯に慣れておくことでヒートショックを防ぐことができます。

急に立ち上がらない

湯船に浸かった状態で急に立ち上がると、頭に上手く血が回らなくなり失神や立ち眩みを起こしてしまう可能性があります。全身で浸かった後は、下半身だけ浸かってそのあとにゆっくりと浴槽から出るようにしましょう。これにより頭に血が回らないということを防げる上に、体を外の気温に慣れさせることで、血圧の急激な上下も防ぐことができます。

入浴前と後に水分を摂取する

お風呂で汗をかくことで、体内の水分量が減り血液が巡りにくくなります。その結果血が固まり、動脈硬化などの症状を引き起こすため、それらの予防のためにもコップ1杯でもいいので摂取することを心掛けましょう。

ヒートショックには若い人も注意が必要

高齢者に比べれば、若い人は心筋梗塞や脳梗塞のリスクは低い傾向にありますが、そのリスクが全くないわけではありません。耐えられる以上の負担が心臓や血管にかかってしまうと、簡単にヒートショックが引き起こされてしまいます。心筋梗塞などの重度にはならなくても、失神などの軽度の症状によってそのまま水に沈んでしまい、誰にも気づかれずに溺死してしまうという事例も少なくありません。

まとめ

ヒートショックは血圧の急激な上下によって引き起こされます。普段から、温度変化がなるべく緩やかになるように習慣づけておくと良いでしょう。

特に冬場は特に暖かい湯船に浸かる機会も多くなるのでご注意ください。

また若い人も「自分は若いから大丈夫だ」と決めつけずに、ヒートショックが起こりうる可能性を認識して対策をしてくださいね。

  • << 前の記事【2023年版】ここだけはおさえたい!マンション・アパートの大掃除チェックポイント
  • 次の記事 >>【2023年版】一戸建て(一軒家)は掃除が大変!?大掃除攻略ガイド