使いすぎ?お風呂・シャワーのガス代はどのくらいかかるものなのか
知っ得豆知識
毎日のバスタイムは体を清潔に保つだけではなく、心身のリラックスとなる大切な時間。
ホっと息つくひと時の裏で、一体どのくらいのガス代がかかっているか正確に把握していますか?本記事では、節約をお考えの全ての方が知っておくべき「お風呂とシャワーのガス代のカラクリ」を解説していきます。
浴槽にお湯をためる場合のガス代
浴槽にお湯をためる時、どのくらいのガス代がかかっているのかを計算してみましょう。
ガス代の算出は以下の計算式に当てはめると算出することができます。
「上げる温度数×貯める水量×熱効率×発熱量×ガス代の平均従量単価」
多くの家庭では都市ガスとプロパンガス(LPガス)のいずれかが使われているため、この2つに分類して比較していきます。前提となる条件は以下の通りです。
最初の水温(常温と仮定) | 20℃ |
貯める水量 | 250L |
設定温度 | 42℃ |
熱効率(給湯器付き風呂釜の平均値) | 75% |
また、都市ガスの発熱量は大手都市ガスの場合で、1㎥あたり平均「45MJ(10,750Kcal)」です。これに対し、LPガス(プロパン)は全国どこでも「99MJ(24,000Kcal)」であるため、本数値を参照します。
※参照:「ガス料金に関する情報公開|経済産業省資源エネルギー庁」
都市ガスの場合
都市ガスとは、天然ガスや海外から輸入する液化天然ガスを原料としているガスです。ガス導管を通じて、各家庭にガスが供給されます。都市ガスを利用するためには、都市ガス事業者や地方公共団体が運営している公営ガス事業者と契約する必要があります。
都市ガスの平均従量単価は、1㎥あたり約150円。
※1㎥あたりの価格は時期や会社によって異なる場合がございます
条件を計算式に当てはめると、
「22℃×250L×75%÷10,750kcal×150円=約57.56円」
つまり1回あたり約58円のガス代がかかるということです。
LPガス(プロパンガス)の場合
LPガス(プロパンガス)の正式な呼び方は「Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)」。気体燃料であるプロパンやブタンなどを液化したものです。ガスを常圧で冷却することで気体から液体に変えたもので、液体にすることで体積が小さくなるため液化して輸送しやすくしています。
LPガス(プロパンガス)の平均従量単価は、1㎥あたり約500円。
※1㎥あたりの価格は時期や会社によって異なる場合がございます
条件を計算式に当てはめると、
「22℃×250L×75%÷24,000kcal×500円=約85.93円」
つまり1回あたり約86円のガス代がかかるということです。
都市ガスと比較すると、プロパンガスの方が約1.5倍高くなることがお分かりになりましたでしょうか。
シャワーを使用する場合のガス代
シャワーは1分につき、約12Lのお湯が使われるといわれています。シャワーの場合は放水経路で温度が下がるため、設定温度より少し高い温度でお湯をつくると想定してください。
以下の表では具体的に20℃の水を45℃まで温めてお湯をつくる場合で計算しています。
放水経過時間 | 水量 | ガス代(都市ガス) | ガス代(LPガス) |
5分 | 約60L | 約22.60円 | 約30.40円 |
10分 | 約120L | 約45.21円 | 約60.81円 |
15分 | 約180L | 約67.81円 | 約91.21円 |
20分 | 約240L | 約90.42円 | 約121.61円 |
浴槽にお湯をためる場合、都市ガスで約58円/1回、LPガス(プロパンガス)で約86円/1回と前述しましたが、いずれも15分以上放水した時点で浴槽にお湯をためた方が安くなるという結果となりました。
性別や年齢、趣味嗜好によってシャワー時間は変わりますが、意外と15分はあっという間に過ぎてしまうものです。自分のお風呂事情と照らし合わせながら選択しつつ、さらに上手にガス代を節約すると良いでしょう。
簡単!お風呂・シャワーのガス代節約術
当たり前ですが、浴槽の場合はなるべく保温効果を上げることが大切です。
複数人が利用する場合お風呂に入る時間がまちまちなので、毎回追い炊きは必要になってしまいます。季節にもよりますが、特に寒い季節はすぐにお湯が冷たくなってしまうためことさら必要性が増してしまうことでしょう。
- 家族のバスタイム時間を統一し連続で入浴する
- 浴槽の保温シートを必ず被せる
などで温度変化をさせない工夫をしましょう。
また、シャワーの場合は節水効果のあるシャワーヘッドを取り付け、こまめに止めながら利用すると良いでしょう。また設定温度を見直し、シャワー自体の温度変化も減らすことも有効な方法です。
まとめ
おうち時間の増えたコロナ禍では、バスタイムも大事なリラックスポイントのひとつ。節約を意識しすぎた「カラスの行水」のような入り方をする必要はありませんが、小さな心がけひとつでしっかりと節約することができます。
どうしてもシャワーの放水時間が長くなる方は、浴槽にお湯をためて効率的に使っていくのもひとつの選択肢。それぞれの状況に合わせて、考えながらバスタイムを楽しみましょう。