春の正しい花粉症対策とは?花粉症に打ち勝つ3つの対策方法とアイテム

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春の正しい花粉症対策とは?花粉症に打ち勝つ3つの対策方法とアイテム

くしゃみや鼻水、目のかゆみ、のどの痛みなど春先は花粉症が流行する季節です。

毎年、この時期になると憂鬱になる方も多いのではないでしょうか。花粉症歴が長い人も、花粉症かな?という程度の人も、正しい花粉症対策の情報が欲しいですよね。

この記事では、春の正しい花粉症対策を解説します。花粉症に打ち勝つための対策やアイテムを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

花粉症が起こる原因

人には、身体に侵入してきた物質(抗原)を自分以外の物質(異物)と判断すると、これを無害化しようとする反応(抗原抗体反応)が起こるしくみが備えられています。

基本的に免疫反応は身体にとって良い反応といえますが、時には免疫反応が過剰になり、生活に支障が出てしまうことも。このように身体にとってマイナスに働いてしまう場合がアレルギーになり、くしゃみや鼻水などの症状が現れるのです。

「花粉症」は体内に入った花粉に対して人間の身体が起こす抗原抗体反応です。つまり、体内に侵入した花粉を異物と認識し、この異物(抗原)に対する抗体を作り、再度侵入した花粉を排除しようとする反応が「花粉症」です。

花粉症の場合、花粉を排除しようとして、くしゃみや鼻水、のどの痛み、目のかゆみといった症状が出ますが、これらの症状が強く出過ぎるために生活の質が低下してしまいます。

近年、花粉症患者が増加していますが、その要因として、飛散する花粉量の増加や食生活の変化、腸内細菌の変化などが指摘されています。

また、最近の研究では、空気中の汚染物質や喫煙、ストレスの影響、都市部における空気の乾燥などが花粉症の症状を悪化させる可能性のあるものとして取り上げられています。

特に、日本では1970年代前半から急激に増加したことから、「食生活の欧米化」が影響しているという意見があるほか、春の花粉症では「春先の黄砂」が症状を悪化させる原因の一つともいわれています。

※参考:花粉症環境保健マニュアル2022|環境省

花粉症に打ち勝つ3つの対策

春の花粉症の抗原になる「スギ」や「ヒノキ」の花粉は、例年11月頃までに完成した雄花の中に大量に作られます。

その後いったん休眠しますが、長く低温状態が続くことで休眠から目覚め、開花の準備を始めます。そして気温が上昇してくる2月から4月、5月にかけて開花し、花粉が大量に飛散するのです。

日本中で最も多くの花粉を振りまくスギ花粉はだいたい2月中旬から4月いっぱいくらいまで、ヒノキ花粉はスギ花粉が収まる頃の3月末から5月初旬に飛散のピークを迎えます。

ヒノキ花粉はスギ花粉ほど量が多くありませんが、スギ花粉と併発する場合が多い花粉です。毎年春から初夏にかけて、3ヶ月ほどの長期間をスギ・ヒノキ花粉症に苦しむ人も多いのではないでしょうか。

花粉症に打ち勝つためには、まずは抗原である「花粉」を排除する必要があります。次に大切なのは、アレルギー反応が強く出過ぎないよう、正常な免疫機能を保つことです。自律神経や鼻の粘膜を強化するといいでしょう。

これらの観点から、3つの対策を紹介します。

花粉をシャットアウトする

花粉を身体に入れないようにするには、花粉の性質や情報を身に着け、外出時や家の中といった場面ごとに対策を講じることがおすすめです。

花粉情報をチェックする

花粉は特定の条件の日時に飛散しやすいため、その日時を避けて外出の予定を立てるのも効果的です。

気温が高く乾燥している、風が強い、前日に雨が降った日は特に注意します。また、晴れた日の昼過ぎや夕方も飛散が多くなる傾向があります。

気温が低い日や雨の日、1日の間でも午前中や夜間には花粉が飛散しにくいため、外出はこういった日時に合わせるといいでしょう。

花粉情報は、春の花粉シーズン時は天気予報にも含まれているほか、スマホの花粉情報アプリやWEBでも確認可能です。こまめにチェックする習慣をつけておくといいですね。

外出時

花粉が人に付着しやすいのは、表面に出ている頭と顔です。外出時には、頭と顔をできるだけ防備することを心がけます。

帽子・メガネ・マスクを身に着け、コートやジャケットなどの上着はツルツルした素材のものを選びましょう。また、長い髪は結わえてコンパクトにしておくことも大切です。

家に着いたら、衣服に付いた花粉を外で払ってから玄関に入るようにします。また、うがいには喉に流れた花粉を除去する効果があるため、帰宅後すぐのうがいも対策になります。

生理食塩水を体温程度に温めた生理食塩水や専用の商品を利用して、鼻うがいをするのもいいでしょう。

さらに、うがいのついでに洗顔することもおすすめです。洗顔の際には丁寧に優しく行い、目や鼻の周囲に付着した花粉が体内に侵入しないよう注意します。

家の中

花粉が飛散するオンシーズンに窓を全開にして換気すると大量の花粉が室内に流入します。花粉の最盛期に行った実験では、3LDKの一般的なマンションで1時間の換気をした場合、およそ1000万個もの花粉が屋内に流入しました。飛散が多い時間帯は窓やドアを閉め切って花粉の侵入を防ぎましょう。

どうしても換気したい場合は、窓を開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンをすることで流入する花粉をおよそ4分の1に減らせます。参考にしてみてください。

流入した花粉は、床やカーテンなどにたくさん残存しています。掃除を励行し、カーテンの定期的な洗濯も心がけましょう。

※参考:花粉症環境保健マニュアル2022|環境省

さらに、就寝時には必ず入浴やシャワーで身体に付着した花粉を洗い流します。布団や枕に花粉を付けないようにすることがポイントです。もちろん、布団を干す時は外ではなく布団乾燥機を活用しましょう。

正しい生活習慣を保つ

正常な免疫機能を保つために、正しい生活習慣を送ることが重要です。忙しい日々を過ごしていると難しい面もありますが、できるだけ気をつけると花粉症対策になります。

睡眠を良くとる

睡眠を十分に取ることが正しい生活習慣の基本です。よく眠るだけで身体の免疫力が上昇するため、もっとも手っ取り早い対策だといえるかもしれません。

反対に睡眠不足が続くと、免疫力が低下して花粉症だけでなく風邪もひきやすくなります。夜ふかしはほどほどに、休日だけでもしっかり睡眠時間を確保するとよいでしょう。

鼻水や鼻詰まりなどの花粉症でなかなか眠れない場合、空気清浄機を使いながら寝ると熟睡できます。風邪予防にもなるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

お酒やタバコを控える

花粉が侵入する鼻の粘膜を強くしておくことも、花粉症対策となる生活習慣の一つです。

鼻の粘膜を正常に保つためには、お酒の飲み過ぎや喫煙に気をつける必要があります。

花粉症でつらい時期はちょうど歓送迎会シーズンに当たるため、お酒やタバコの量も増えがちではないでしょうか。この時期だけでもできるだけ控えるようにしましょう。

ストレスを溜めない

ストレスが溜まると身体の免疫力が低下することはよく知られています。なるべくストレスを溜めない生活が花粉症対策にも効果的です。

ストレスは、個人の性格や考え方によって左右されるため、おおらかな考え方にシフトすることをおすすめします。

たとえば、ある人に挨拶をした時に知らんぷりをされた場合、「何か悪いことをしたかな・・・?」と悶々と考えてしまう人と「たまたま聞こえなかったんだろう」とすぐに忘れてしまう人がいます。

後者のほうがよりストレスの溜まらない考え方になり、こういったサラリとした思考が間接的に花粉症にも効くといえます。

また、花粉が飛散する時期は、ストレス源をなるべく避けることも大切です。面倒ごとは、先回りしたり後回しにしたりして調節するとよいでしょう。

食事で健康を維持する

花粉症に効くといわれている食事にはある程度の効果が期待できるとされています。ただし、実際のデータがない点に注意する必要があります。

たとえば、ヨーグルトを毎日食べているブルガリアの人でもアレルギーの病気があるといったように、ヨーグルトを食べれば花粉症にならないわけではありません。

ただし、花粉症に負けない強い体を作るには、栄養バランスのとれた食事が基本になります。また、粘膜の健康維持や皮膚のバリア機能などに関与する栄養素を日常的に取り入れることで、ある程度の対策にはつながるでしょう。

ここでは、花粉症に効果があるとされる食べ物や栄養素を紹介します。

発酵食品

免疫細胞の約60%が腸に集中しているといわれており、正常な免疫機能の働きのためには、整った腸内環境が大切です。

乳製品や納豆、キムチなどの発酵食品には、腸内環境を整える善玉菌を増やす効果があるとされています。

特に、腸に直接届くとされるヨーグルトや乳酸菌入りの飲料などがおすすめです。花粉症だけでなく、便秘対策やバリア機能にも効果があるでしょう。

食物繊維

発酵食品と同様、食物繊維にも腸内環境を整える働きがあります。また、善玉菌のエサになるため、善玉菌を増やす効果も期待できます。

きのこ類や海藻類、イモ類を多く摂るようにする、白米を玄米や胚芽米に替えるなど食物繊維を積極的に摂るよう工夫してみましょう。

ビタミンD

最近の研究によると、ビタミンDにも免疫に対するさまざまな作用があることが明らかになっています。

骨の形成や維持に重要なビタミンDですが、世界では免疫機能の維持、免疫力を高める働きが期待される必須のビタミンとして注目されています。また、ビタミンDが皮膚のバリア機能を高めることもわかってきました。

人の身体には、日光の紫外線によってビタミンDが生成される物質が備わっています。ビタミンDのもととなる栄養素はきのこ類や魚介類に多く含まれており、適度に体を動かして日光に当たる習慣によって生成を促すことができます。

早朝や夕方など、花粉の飛散が多い時間を避けて完全防備で行なう散歩やウォーキングがおすすめです。

花粉症に打ち勝つための厳選アイテム

さまざまな花粉症関連グッズが販売されていますが、今のところ花粉症の症状を改善する十分なデータは得られていません。その点を踏まえて、ある程度花粉をシャットアウトできるアイテムを厳選してご紹介します。

マスク

マスクの装用は、通常のマスクでもかなり花粉の侵入を減らして症状を軽くする効果があります。

横から花粉が入らないよう顔にフィットし、息がしやすいマスクを選ぶことが重要です。また、毎日交換する使い捨てのものが衛生面から推奨されます。

なお、マスクの内側にガーゼを当てること(インナーマスク)で鼻に入る花粉が減少することが分かっており、インナーマスクによって市販のどんなタイプのマスクでも99%以上の花粉除去率を示しました。

「インナーマスク付きのマスク」は、市販のガーゼと化粧用のコットン、不織布のマスクだけで作ることができます。縦横10cmほどに切ったガーゼを2枚用意し、化粧用のコットンを丸めて1枚のガーゼでくるみます。

次に、市販の不織布のマスクにもう1枚のガーゼを4つ折りにしてあてておきます。鼻の下に先ほど作ったガーゼでくるんだコットン(インナーマスク)を置き、ガーゼをあてたマスクを装着すれば完成です。

息が苦しい場合にはコットンの厚さを半分にするなど工夫してみましょう。

メガネ

マスクが鼻や口からの花粉の侵入を防ぐように、メガネにも目から侵入する花粉の量を抑える効果があります。

メガネを掛けると、メガネを使用しない場合に比べて目に入る花粉量は通常のメガネでおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%減少するとされています。

ふだんメガネを掛けない人でもだてメガネの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、花粉の飛散している時期にコンタクトレンズを使用すると、コンタクトレンズによる刺激が花粉によるアレルギー性結膜炎の症状を悪化させる可能性があるといわれています。
よって、この時期だけでもメガネに替えた方がよいでしょう。

静電気防止スプレー

一般的にウール製の衣類は綿や化繊に比べて花粉が付着しやすいため、外出の際の服装に気をつけることが必要です。

花粉が飛散する季節は、外側にウール素材の衣服を着用しての外出は避けた方がよいでしょう。

どうしてもウール素材や毛足の長い素材の服が着たい場合は、市販されている静電気防止スプレーがある程度の効果を発揮します。

スプレーを利用することで花粉が落ちやすくなるため、付着する花粉の量が減少します。帰宅時には必ずしっかり払い落としてから玄関に入りましょう。

鼻の穴に塗るクリーム

鼻の穴に塗るクリームも、鼻の中に入り込む花粉をシャットアウトする効果が期待できます。

ただし、実際の効果については実証されていないため、可能性が高いかも…といった信頼度になります。単品で使用するのではなく、マスクやメガネ、インナーマスクとの併用がおすすめです。

治療薬

花粉症の症状を抑えるためには、アレルギー性の症状に適した治療薬の摂取がもっとも有効です。

花粉症が引き起こす鼻の症状を抑えるためには、「ヒスタミン」の発生を抑える「抗ヒスタミン薬」がよく効きます。また、鼻づまりがひどい場合は血管を収縮させる働きを持つ薬や点鼻薬を、目の症状がひどい場合には点眼薬も併用するとよいでしょう。

残念ながら花粉症の症状を完全に抑える薬はありませんが、薬にはさまざまな症状を緩和する働きがあります。適切に軽減させるため、花粉症の症状に合わせた薬を選択しましょう。

おわりに

春のスギ・ヒノキ花粉による花粉症に悩む方に向けて、花粉症が起こる原因を踏まえ、3つの対策方法と厳選アイテムを紹介しました。

国や自治体によるスギやヒノキの花粉を減らす取り組みや予防・治療対策が不可欠ですが、自分でもできる花粉症対策として、今回の記事の対策やアイテムを取り入れてみてください。

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