こどもみらい住宅支援事業をわかりやすく解説!概要や注意点も

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こどもみらい住宅支援事業をわかりやすく解説!概要や注意点も

国土交通省が推進している「こどもみらい住宅支援事業」についてご存知でしょうか。

こどもみらい住宅支援事業とは、一定の省エネ性能を有する住宅の新築や一定の要件を満たすリフォームを行う場合、申請することによって所定の補助金額が交付される補助金事業のことです。

これから住宅を新築する予定の方や、住宅のリフォームを検討している方にとってはかなりお得な支援事業だといえるでしょう。

この記事では、当事業についてわかりやすく解説していきます。

こどもみらい住宅支援事業の目的

住宅支援事業

成長と分配の好循環による「新しい資本主義」のため、令和3年11月19日に新たな経済対策の一つとして子育て世帯や若者夫婦の省エネ住宅の取得の支援を行うことになりました。

これを踏まえて、子育て世代の住居費負担の支援強化や住宅分野の脱炭素化の強力な推進を目的とする「こどもみらい住宅支援事業」が閣議決定されたのです。

つまり、こどもみらい住宅支援事業は、子育て支援2050年カーボンニュートラル実現の2つの観点によって施行される事業ということになります。

住居の取得や家のリフォームには金銭的な負担がかかります。特に、子育て世帯や若者夫婦世帯にとってはその負担も大きいことでしょう。

当事業は、高い省エネ性能を有する新築住宅を建築・購入したり、住宅の省エネ改修を行ったりすることに対して補助金を交付し、住居費用負担の軽減と省エネ性能を有する住宅ストックの形成を目的としています。

こどもみらい住宅支援事業の概要

つみきで作った住宅イメージ

それでは、こどもみらい住宅支援事業の概要を見ていきましょう。

こどもみらい住宅支援事業の対象者​は?

こどもみらい住宅支援事業の対象者​は、注文住宅・分譲住宅の新築を行う子育て世帯または若者夫婦世帯と、対象となるリフォームを行う全世帯です。

新築は若い世代だけですが、リフォームはすべての世代が対象になる、と理解しておくと良いでしょう。

補助金はどれくらいもらえる?

当事業によって受けられる補助金の金額は、注文住宅・分譲住宅の新築を行う場合、住宅の省エネ性能などに応じて60万円~100万円となり、またリフォームする場合は工事の内容や属性に応じて5万円~最大60万円になります。

補助金の金額は、省エネの性能や工事内容によって変わってくるということです。

補助金の申請方法は?

補助金は、一般消費者(建築主)が申請するわけではありません。

補助金の申請手続きや補助金の受け取りは、工事施工者や販売事業者などの「こどもみらい住宅事業者」が代わりに行います。

こどもみらい住宅支援事業の詳細

住宅支援事業

次に、当事業における補助について新築住宅・リフォームそれぞれの場合に沿いながら説明していきます。

注文住宅の新築または新築分譲住宅を購入する場合

新築住宅については、対象者が若い世代であることと住宅の省エネ性能がポイントになります。

対象

子育て世帯または若者夫婦世帯のいずれかであり、こどもみらい住宅事業者と工事請負契約を締結して住宅を新築する方、またはこどもみらい住宅事業者と不動産売買契約を締結し、新築分譲住宅を購入(所有)する方が対象です。

ちなみに、「子育て世帯」とは、申請時点において2003年4月2日以降に出生した子を有する世帯を指し、「若者夫婦世帯」とは、申請時点において夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯を指しています。

また、「こどもみらい住宅事業者」とは、消費者に代わり交付申請手続きを代行し、交付を受けた補助金を消費者に還元する者として、あらかじめ本事業に登録をした住宅事業者のことです。

対象となる住宅にもいくつかの条件があるので以下確認しておきましょう。

  • 所有者(建築主)自らが居住する
  • 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する
  • 未完成または完成から1年以内であり、人の居住の用に供したことのないもの
  • 住戸の床面積が50㎡以上である
  • 証明書などにより、「ZEH住宅」「高い省エネ性能等を有する住宅」「一定の省エネ性能を有する住宅」のいずれかに該当することが確認できる
  • 交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる

補助金をもらうためには、以上6つの条件を満たしてなければいけません。 

補助金額

補助金額は、住宅の省エネ性能に応じたものとなっており、「ZEH住宅」が100万円、「高い省エネ性能等を有する住宅」が80万円、「一定の省エネ性能を有する住宅」が60万円です。

これら住宅区分については下記参考HPにて詳細が掲載されているため、ぜひチェックしてみて下さい。 

手続き期間

手続き期間としては、交付申請の予約が2022年3月頃~遅くとも2022年9月30日、交付申請期間が2022年3月頃~遅くとも2022年10月31日となっています。

また、完了報告期間は交付決定以降、戸建住宅が2023年5月31日まで、10階以下の共同住宅で2024年2月15日まで、11階以上の共同住宅で2024年12月31日までです。

※参考:注文住宅の新築|こどもみらい住宅支援事業
新築分譲住宅の購入|こどもみらい住宅支援事業

リフォーム工事をする場合

リフォームの場合は、全世帯が対象となりますが、リフォーム箇所や製品などに応じて補助金額が変わる点と子育て世代に対しては補助金額の引き上げがある点が重要です。

対象

こどもみらい住宅事業者と工事請負契約等を締結してリフォーム工事をすることとリフォームする住宅の所有者等であることが対象条件となります。

全世帯が対象で、世帯が若い必要はありません。また、「所有者等」とは、リフォーム住宅の所有者(法人を含む)およびその家族​、賃借人又は管理組合・管理組合法人のいずれかに該当する人を指しています。

対象となるリフォーム工事には、断熱改修や耐震改修、バリアフリー改修などがありますが、申請する補助額の合計が5万円未満の工事は補助の対象にならないので注意しましょう。 

補助金額

原則、1戸あたり30万円が上限で、リフォーム内容や製品に応じて金額が変わります。また、同一住宅に複数回のリフォーム工事を行う場合でも補助上限額の範囲内であれば申請を行うことができます。

子育て世帯または若者夫婦世帯が自ら居住する住宅にリフォーム工事を行う場合や自ら居住するために購入した既存住宅にリフォーム工事を行う場合は、補助上限が引き上げられます。
※参考:リフォーム|こどもみらい住宅支援事業

こどもみらい住宅支援事業で補助金を受ける際の注意点

住宅新事業を支えるイメージ

以上のように、補助金を受けるにはさまざまな条件があります。また、本事業で補助金を受ける場合、建築主が注意すべき点が主に2つあるので解説します。

補助金の重複について

1つの住宅について「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」「リフォーム」いずれかの補助金の交付を受けた建築主は、この住宅と別の住宅であったとしても、再度「注文住宅の新築」や「新築分譲住宅の購入」の補助金の交付を受けることはできません。

ただし、「リフォーム」の補助金の交付を受けることは可能です。その際、「リフォーム」の補助金の補助上限の引き上げは受けられないため、あらかじめ金額を確認しておくと良いでしょう。

さらに、「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」「リフォーム」いずれかの補助金の交付を受けた住宅と同じ住宅で、他の対象による補助金の交付を受けることはできません。

例えば、「注文住宅の新築」で補助金の交付を受けた場合、この住宅において「新築分譲住宅の購入」や「リフォーム」の交付は受けられないということです。同じ住宅で何度も交付は受けられないと理解しておきましょう。

財産処分の制限について

財産処分の制限についても気をつける必要があります。

交付を受けた建築主は、補助金の交付を受けて取得した住宅について、こどもみらい住宅事業者に補助金の振込み後、10年間は国または事務局の承認なく補助金の交付目的に反した使用や譲渡、交換、貸付、担保に供することは認められません。

10年間は取り壊すこともできないので注意しましょう。
国土交通省が行なう事業となるため、これらをしっかり留意しておくことが大切です。

一般消費者(建築主)の手続方法・流れ

子供と住宅

それでは、建築主である一般消費者はどのような手続きをとればよいのでしょうか?交付を受けるまでの大まかな流れを説明します。

こどもみらい住宅事業者を探す

本事業のホームページから検索できます。

注文・分譲の新築住宅、リフォームによってそれぞれ事業者が異なるため、本事業に事業者登録をしているのか住宅事業者に問い合わせてみましょう。

※参考:こどもみらい住宅事業者の検索|こどもみらい住宅支援事業
(リフォーム・対象商品検索ページは1/31開始予定となっています。)

詳しい要件を確認する

住宅事業者に、本事業が利用できるのか相談しましょう。自分の家族構成や住宅の性能、新築なのかリフォームなのかによって補助額が変わってきます。また、要件に該当しない場合は申請できません。

契約締結・工事着手

住宅事業者と契約を結びます。本事業の利用に同意することを確認するため、本事業用『共同事業実施規約』も併せて締結します。

その後、住宅事業者が書類を取りまとめて、新築は基礎工事等の完了後、リフォームは全工事の完了後に申請してくれます。

また、新築住宅に限っては住宅事業者から入居の報告が必要です。完了報告ができていないのに還元を受けている場合、補助金の返金を求められるので注意しましょう。

補助金の交付

補助金は、建築主ではなく住宅事業者の方に振り込まれます。

共同事業実施規約の取り決めに従って、契約代金(最終支払)の一部に充当もしくは現金の支払い(契約代金を精算済みの場合に限る)といった形で住宅事業者から還元されるため、少し待つ必要があるでしょう。

また、本補助金について確定申告が必要になる場合があります。詳しくは税務署にお問い合わせください。

※参考:国土交通省からのお知らせ・こどもみらい住宅支援事業|国土交通省

おわりに

場合によって国からの補助金がもらえる「こどもみらい住宅支援事業」。知っているのといないのとでは断然差がつくはずです。

近々、住宅を新築したりリフォームしたりする予定の方は、当事業について理解を深めてぜひ省エネを意識してみましょう。

※引用元:こどもみらい住宅支援事業

 

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