ガス給湯器と何が違う?いまさら聞けない「エコキュート」とは

知っ得豆知識 知っ得豆知識

ガス給湯器と何が違う?いまさら聞けない「エコキュート」とは

なんとなく聞いたことがある「オール電化」と「エコキュート」。

家電量販店やテレビCMなどで一度は目にしたことありますよね。そんな「エコキュート」は、環境に優しくエネルギー効率の良い給湯方法としてとても注目されていることをご存じでしょうか。

多くのメリットがあるエコキュートですが、導入を慎重に検討すべき内容も多数存在します。そこで本記事ではエコキュートの仕組みとメリット、デメリットを解説し、導入検討の一歩目を踏み出せるようにまとめました。

エコキュートとは一体なんなのか?

※画像引用:「エコキュートで省エネ生活!@袋井市新池住宅新築工事|株式会社ニットーホーム・公式ブログ

エコキュートは電気を使って水を温めてお湯を作り出す給湯器のこと。

電気給湯器が電気ヒーターでお湯を沸かすのに対して、エコキュートはヒートポンプと呼ばれる機械が空気の熱でお湯を沸かします。 夜間の電力で効率良くお湯を沸かすのでとても省エネかつ効率的。

そして火を使わないため火事の心配もなく環境にも優しいことも大きな魅力。最初に設置費用がかかるため初期投資ではガス・電気給湯器より高くなるものの、ランニングコストは安く長く使えば使うほどエコキュートのほうがお得といえるでしょう。

エコキュートの仕組みと使うメリット

※画像引用:「エコキュートで省エネ生活!@袋井市新池住宅新築工事|株式会社ニットーホーム・公式ブログ

仕組みの説明の前に「ヒートポンプ」と「貯湯タンク」について抑えておきましょう。

ヒートポンプユニットとは?
屋外から大気中の熱を集めてお湯を沸かすための機器。見た目はエアコンの室外機と似ています。ヒートポンプユニットには熱を交換する機械が内蔵されており、二酸化炭素を媒介として空気から熱を取り込んでいます。さらにコンプレッサーを使うことで圧縮・高圧化しさらに高温に。もう一つ「設置されている水を加熱するための機械」に二酸化炭素の熱を水に伝えてお湯を沸かす仕組みです。この仕組みをたえず繰り返すことでお湯を作り出しているのです。
貯湯ユニットとは?
ヒートポンプユニットで沸かしたお湯を使用するまでの間、一旦貯蔵しておくための機器。高性能な断熱材によって沸かしたお湯が冷めないようになっているので、電気を使わない保温が実現します。また完全にお湯だけを貯めておくだけでなく、上にお湯、下に水を貯めて真ん中はぬるま湯になっています。下の水はヒートポンプへと送られてお湯として戻ってきて上のお湯になり、室内でお湯が使われて貯湯ユニット内のお湯が減ると下に給水されてまた新たにお湯が作られる仕組みになっています。

要するに、

  • 高い場所から低い場所へ移動する
  • 圧縮すると温度が上昇する
  • 膨張すると温度が低下する

という気体と熱の自然エネルギーの原理を応用した技術がヒートポンプ技術であり、お湯を効率よく貯めて使っていく技術が貯湯技術です。この技術を利用したエコキュートは、空気の熱と高温沸き上げ特性に優れた自然冷媒(CO2)を活用して、効率良くお湯を沸かします。 電気は熱エネルギーとしてではなく、熱を運ぶ動力源として使われるため消費電力以上の熱量を得ることができます。このように電気の力で熱を作りだすエコキュートですが、大きく分けて5つのステップでお湯を作り出しています。

  1. 大気中の熱エネルギーをヒートポンプで取り込む
  2. 取り込んだ熱エネルギーを圧縮して高温にする
  3. 熱を水に伝えてお湯に変える
  4. 貯湯ユニットに貯めてキッチンやお風呂などで使用
  5. 熱エネルギーを膨張させて温度を下げる

エコキュートを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

光熱費を減らせる

エコキュートは電気、気体、熱エネルギーを活用してお湯を沸かします。

これにより少ない電力で熱を生み出すことができるので、ガス給湯よりも光熱費を約40〜50%も削減することができるのです。
※深夜料金の値上げ状況によって割合が変動します

 また電気代の安い深夜電力を使うことでさらに電気代を下げることも。日中は太陽光を組み合わせて更に電気代削減をすることもできるでしょう。このように、ガス給湯にはなかった選択肢を組み合わせながら、光熱費を節約できる点も大きなメリットのひとつではないでしょうか。

環境にやさしい

電気と自然エネルギーの原理を活用しているので環境汚染に繋がる心配がありません。SDGsや環境への取り組みが叫ばれる昨今、一家庭ができることを少しでもやっていく姿勢もとても大事なことです。「少なくともウチの給湯システムは環境に優しい」と思えるだけでも大きな社会貢献の一つと言えるでしょう。

災害時の水を一時的に確保できる

地震大国である日本ではいつ大きな地震が起こるか分かりません。

生活用水なども含めると4人家族で1日平均50L程が必要と言われており、常にこの量を確保しておくことはあまり現実的ではないですよね。

この点、エコキュートは災害時の水を確保する貯水タンクとしても活躍します。エコキュートのタンク容量は450Lあるため、4人家族でも生活用水を含めて9日間は水がなくなる心配がないということになります。

補助金を活用できるかも?

エコキュートの導入には補助金を活用できる場合があります。各自治体により異なりますが、多くの自治体ではエコキュートの本体価格や工賃の補助をしてくれる制度が整備されています。導入の前には最寄りの自治体に問い合わせしてみましょう。

エコキュートを導入する際の注意点

エコで省エネ、光熱費も削減できる給湯方法である「エコキュート」にも実はデメリットが存在します。それぞれをきちんと把握した上で導入を検討しましょう。

設置のハードルが少し高い

エコキュートの導入時の悩みとなるのが初期費用の高さ。

エコキュートの設置費用の相場は30〜60万円ですが、住宅の構造によっては機械を設置するための工事費用が高くなってしまうこともあります。

一度導入すると基礎工事と配管工事を行なっている関係上、別の給湯設備への切り替え工事にもお金がかかってしまいます。

また、設置にはそれなりの面積が必要になるため、このスペース分を確保できない場合はそもそも導入ができません。

コストや工事についてをきちんと調査し、場合によっては実地を確認してもらい見積もり検討するなどをすると良いでしょう。

「貯湯タンクからお湯を送る」デメリットも

貯湯タンクに貯まったお湯を直接送る仕組みのため、エコキュートでの給湯は想像以上に水圧が弱くお湯切れの心配があります。減圧の設定も低く、2Fのお湯はりやシャワーにも向いていません。

強い水圧がお好みであったり、2階建ての家庭などには向いていない可能性が高く十分に検討してください。高性能なシャワーヘッドなどで解決できるのかどうかなど、一度業者などのプロに聞いてみるといいかもしれません。

設置したユニット自体の問題点もある

ヒートポンプユニット自体から40dB程度の低周波音が発生します。

これは一般の閑静な住宅地くらいの音ですので大きな音ではないのですが、場所によっては少し気になるかもしれません。

また深夜に稼働する側面上、近隣の住宅への配慮も必要になります。騒音トラブルを回避するためにも、

  • スペースがあるのであれば設置位置を考慮する
  • 防音シートで対策する

などについて検討してください。また深夜にお湯を作るということは「お昼のお湯利用が多い家庭」はかえってコストがかさんでしまうということです。そのためライフスタイルも考慮する必要があります。

定期的なメンテナンスが必要

エコキュートは循環型のシステムなので定期メンテナンスをおこなわなければ故障してしまうかもしれません。

点検と掃除を年に数回おこなう手間が惜しい方も十分に検討すべきでしょう。業者に依頼することもひとつの手ですが、そのコストも天秤にかけてみてください。

まとめ

省エネによる高い光熱費節約効果と環境への配慮、火事の心配もなく災害時も安心なエコキュートは次世代の給湯方法として注目されています。しかしエコキュートの導入には他と比較してお金がかかるため、導入にはしっかりと検討段階を踏むべきです。ひとりで選ぶのが難しい場合は設置業者に相談し、実際に設置する場所の確認や見積りなどをもらってくださいね。

▼バナーをCLICK! 「都市ガスに切り替えをご検討のお客様へ」

都市ガス
都市ガス

▼バナーをCLICK! 「ガス給湯器、劣化してませんか…?」

ガスふろ給湯器
ガスふろ給湯器

▼バナーをCLICK! 「お風呂・洗面台・トイレのお悩みありませんか?」

バス・トイレ洗面台
バス・トイレ洗面台
  • << 前の記事お祝いには何をあげる?七五三の歴史とその文化
  • 次の記事 >>【2023年版】ここだけはおさえたい!マンション・アパートの大掃除チェックポイント