扇風機とサーキュレーターの違いとは?夏の電気代はどちらが安い?

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扇風機とサーキュレーターの違いとは?夏の電気代はどちらが安い?

夏の暑い日に昔から重宝されるものといえば「扇風機」。
その歴史は江戸時代まで遡り、うちわを複数枚使用して手動で回していたという事実が文献に記されています。(参考:カラー版 新日本大歳時記 夏-講談社

そんな歴史ある扇風機に近年とてもよく似た電化製品があります。
その名もエアサーキュレーター。通称サーキュレーターと呼ばれるこの電化製品は、似て非なるものであることをご存知でしょうか。

どちらを使えばよいのか、また夏の電気代はどう節約するべきなのか…
ハピマガでは、いよいよ本格的に夏が始まるこの時期に、扇風機、サーキュレーターそして夏の電気代についてのお役立ち情報をピックアップしました。

扇風機・サーキュレーターの特徴と違い

サーキュレーターと扇風機

※画像引用:リビング扇風機 YK-3002C-W-ビックカメラ.com
※画像引用:サーキュレーターアイ DC silent ホワイト KCF-SDS151T-W-ビックカメラ.com

(1)扇風機とサーキュレーターの違い

上の画像をご覧ください。形状に違いがあることがお分かりになりますでしょうか。

扇風機とサーキュレーターはいずれも羽根を回転させ風を起こしている点は共通しています。しかしそれぞれ想定されている役割はまったく異なります。

形状では、下記3つに大きな違いを確認できます。

  • 高さ
  • 首を振る方向
  • 可動域

実際にスイッチを入れてみると分かりますが、扇風機は外に拡散させるように、サーキュレーターは定めた方向に向かって直進するように風を送ります。形状の違いで風の送り出し方が異なるのです。

また、送風の威力も異なり、サーキュレーターの方が強い風を送り出しています。

それぞれの特徴と役割を詳しく見ていきましょう。

(2)ダイレクトに風をあてる「扇風機」

夏の暑い時に下敷きやうちわ、扇子などで自分に風をあてて涼んだことは誰しもが経験していることでしょう。とてもざっくりと説明すると、これを機械で大きくしたものが扇風機です。

そもそも人体は、気温が高い状態でも風に当たることによって涼しさを感じることができます。これは、大きく分けて以下の要因によるものです。

  • 体から発生した熱が留まらない
  • 汗が蒸発する際の体温低下

扇風機はこの涼しく感じる風を機械的に作り出し、直接当てることを目的としていることが最大の特徴です。

また、扇風機をよく見てみると、風を送り出す羽根に角度がついています。
スイッチを入れてみると、この角度のついた羽根が回転し前方に空気を送り出します。

このとき、羽根の角度によって、前方のみならず外側にも広がりながら空気を送り出します。

この構造によって空気を拡散しながら広がるように空気を送り、空気の流れを作るのです。

扇風機の風の動き

※引用:テクの雑学 第153回 扇風機とはここが違う!〜サーキュレータを使って暖房費を節約〜 -TDK

さらに、
首振り機能によって部屋全体に均一に空気を送り込み、部屋のどこにいてもある程度涼しく感じることができます。

一方、サーキュレーターは、直接風に当たることを目的とせず、室内の空気の流れを常に作り続けるという役割を持っています。
詳しく見ていきましょう。

(3)空気全体を動かす「サーキュレーター」

サーキュレーターは直線的に強い空気を送り出します。

構造を見てみると、扇風機と同じような形状の羽根の目の前に「風切り羽根」を設置し、外へ広がる動きを遮断しています。これにより、風が螺旋構造のような状態で直進するのです。

サーキュレーターの風の動き

※引用:テクの雑学 第153回 扇風機とはここが違う!〜サーキュレータを使って暖房費を節約〜 -TDK

強く直進した風は空気の通り道を作り出します。

常に空気の流れを作り出すことによって、部屋全体の空気が絶えず循環し、温度・湿度を均一化することができます。一定の方向に風を流すので首振り機能を必要としません。

また、任意の位置から狙いたい向きに風が届くよう、扇風機と比較して
・とても低い位置
・可動域が広く、90℃の角度で縦横動く
・羽根の回転スピードが速く、風力が強い

といった特徴を持っています。

空気は温度によって重さが異なり、暖かい空気は部屋の高いところに溜まり、冷たい空気は足元に溜まります。サーキュレーターはこの空気を循環させるので、実は冬の暖房と併用することで暖房効果を高めることもできるのです。

デメリットは扇風機と比較して音がうるさいという点です。風力が強いので必然的に大きな機械音が発生してしまいます。

カバーや羽根にホコリが溜まってくるとさらに音が大きくなりますので、サーキュレーターを選ぶ際には羽根・カバーなどが取り外しできるかどうかも必ず確認しましょう。

お部屋で使用する際には断然、お手入れのしやすいものを選ぶようにしてくださいね。

気になる夏の電気代比較 〜扇風機、サーキュレーター、エアコン〜

電気代の節約をすることは生活する上で欠かせない要素です。特に暑い夏はエアコンをつけては消して…を繰り返している方は多いのではないのでしょうか。なにが一番節約になるのか考えるために、扇風機、サーキュレーター、そしてエアコンの電気代を比較してみましょう。

(1)扇風機の電気代

扇風機の電気代は平均して以下のような金額を想定することができます。

※電気料金単価:27円/KWh 試算
※全数値四捨五入
※参考:電力料金の目安単価 – 全国家庭電気製品公正取引協議会

(2)サーキュレーターの電気代

サーキュレーターの電気代は平均して以下のような金額を想定することができます。

※電気料金単価:27円/KWh 試算
※全数値四捨五入
※参考:電力料金の目安単価 – 全国家庭電気製品公正取引協議会
※参考:コンパクトサーキュレーターH型-IRIS OHYAMA

トータルコストでは扇風機よりもサーキュレーターの方が安いことが分かります。

扇風機と同様、仮に1ヶ月(31日間)24時間ずっと回し続けても約640円です。つけっぱなしにし続けることはあまり考えられないケースですので、これよりもさらにコストは低くなるでしょう。一度、ご家庭の稼働時間を目安に計算してみてください。

(3)エアコンの電気代

エアコンは畳数目安によってかかる料金が異なります。
風量、除湿などの変更によっても料金差が発生しますが以下では標準運転した場合の数値を算出しています。

※電気料金単価:27円/KWh 試算
※全数値四捨五入
※参考:電力料金の目安単価 – 全国家庭電気製品公正取引協議会
※参考:壁掛型 標準仕様表-DAIKIN

扇風機やサーキュレーターと比較するとかなり金額が高く感じます。

これはそもそもの冷却効果に大きな差があるので、扇風機やサーキュレーターと比較するとやはりエアコン使用の方が快適に感じることでしょう。

ただ、その冷却効果の高さゆえに人によっては冷えすぎてしまうこともあるようで、扇風機のような穏やかな風で十分な方もいます。

扇風機、サーキュレーター、エアコンを効果的に組み合わせて、賢く節約していきましょう。具体的にはどのように併用することが望ましいのでしょうか。

扇風機、サーキュレーター、エアコン 〜上手に使って賢く涼しく〜

夏の暑い日、長時間家を空けてから帰宅すると、部屋に熱気がこもってしまいます。

うだるような暑さに耐えきれず、エアコンをつけたものの部屋全体が涼しくなるのには時間がとてもかかりますよね。

これは、熱気が部屋に留まっていることが要因。扇風機やサーキュレーターで空気の流れを作り出し、熱気を追い出してからエアコンを使用することで涼しくなるまでの時間を短縮できます。

具体的には、以下の手順を踏んでください。
①窓を開ける
②窓に向けて扇風機、サーキュレーターを作動し風を送り出す

これによりいち早く淀んだ空気を循環させることができます。
空気をきちんと循環させた後にエアコンの冷たい空気を送り込むことで、エアコンの費用を節約でき、かつ素早く熱気を追い出せます。

また、部屋の温度は適正なはずなのになぜか暑苦しく感じる場合は、空気が停滞している証拠です。

これの解決方法は部屋の角から、対角線状に斜めに空気の流れを作り出すことです。この場合、その用途からサーキュレーターの方が望ましいでしょう。

ただでさえ湿度の高い日本の夏。雨が多いことはもちろんライフスタイルによっては夜に洗濯することもあります。

この場合、洗濯物を室内干しするケースが多くなりますが、湿気が高くなかなか乾かないので、結果的に生乾き臭がしてしまうことがありますよね。

これも扇風機・サーキュレーターが解決してくれます。
方法は簡単で、洗濯物に直接風を当てるだけで湿気の高い空気を送り出してくれますので、ぜひ試してみてください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
ダイレクトに風に当たる扇風機と空気の循環を促すサーキュレーター。

それぞれの特性を活かし、うまくエアコンと組み合わせて部屋の熱気を効率よく追い出しましょう。

また、それによって節約になるのですから一石二鳥とはまさにこの事だと思いませんか。最後に一言、部屋の冷やし過ぎは風邪のもとになりますのでくれぐれもご注意を。今年も「賢く」暑い夏を乗り越えてくださいね。

 

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