高断熱化リフォームで最大200万円補助!?「先進的窓リノベ事業」とはなんなのか
知っ得豆知識
「冬は寒さを凌ぐために、夏は暑さを軽減するために…」
冷暖房機器は、厳しい温度変化を乗り越えるための必需品です。ところが使い過ぎてしまうと、環境に良くないだけでなく、何より電気代がかさんでしまいますよね。温度変化の際に最も電力を使う仕組みですから、なるべくお部屋の温度変化を緩やかにしたいものです…
そんなお悩みの解決策のひとつとして、高断熱窓を導入することが挙げられます。2023年現在、実は国家事業として所定の条件を満たした窓のリフォーム工事に対し、補助金が支給されていることをご存じでしょうか。
近年、高断熱窓は主流となってきており、もし「冬は冷えすぎるし、夏はユデダコになりそうだ…」と感じているのであれば、高断熱窓へのリフォームを検討してみると良いかもしれません。そこで本記事では、窓のリフォーム工事への補助金事業「先進的窓リノベ事業」について分かりやすく解説していきます!
先進的窓リノベ事業とは
先進的窓リノベ事業を分かりやすい言葉で解説するなら、「熱を遮断しない昔の窓を、断熱性の高い新しい窓にリフォームするなら補助金出しますよ」という制度です。そもそも断熱窓にするメリットは以下のようなことが挙げられます。
- 窓からの夏の暑さが約70%、冬の寒さが約50%も流入するため、断熱窓にすると激しい温度変化を緩やかにできる
- 窓の結露がしにくくなりカビや雑菌の繁殖を防げる
- 家全体の温度差が少なくなるため、お風呂場でのヒートショックによる突然死などを防げる
- 温度差が少なくなるため冷暖房機器にかかるエネルギーコストが下がる
先進的窓リノベ事業の要件&補助金額
先進的窓リノベ事業の補助額はリフォーム工事に応じて、住宅のタイプごとに定められています。1戸あたりの補助額の上限額は、「1戸あたり:上限補助額200万円」となります。複数回の工事を行う場合でも、1戸あたりの上限額は変わりません。また、合計補助額が5万円以下の場合は申請不可です。
補助単価は、窓の大きさの区分や改修方法に基づいて定められています。補助単価に施工箇所数を乗じた額が、1つの住宅における合計補助額です。戸建住宅・低層集合住宅における補助単価は、以下の表を参照してください。
中高層集合住宅における補助単価は、以下の表を参照してください。
先進的窓リノベ事業を申請する流れは?
先進的窓リノベ事業は、リフォームを行う業者が補助事業者となり、申請を行います。補助金は事業者へ交付されますが、その後、全額住宅所有者等に還元される仕組みです。申請にあたっては、あらかじめリフォーム事業者が還元方法を住宅所有者等に説明し、同意を得る必要があります。
本事業の対象となるために、リフォーム事業者は、所定の手続きによって事前に事業者登録を行います。補助の対象になる工事は、事業者登録後に着手したものだけです。申請フローについては、以下の図も参考にしてください。
先進的窓リノベ事業を検討するにあたり気をつけたいこと
先進的窓リノベ事業を利用するには、申請スケジュールに注意する必要があります。
- ・事業者登録期間:令和5年1月17日〜遅くとも令和5年11月30日(予定)
- ・交付申請期間:令和5年3月下旬〜遅くとも令和5年12月31日(予定)
- 家全体の温度差が少なくなるため、お風呂場でのヒートショックによる突然死などを防げる
- ・交付申請予約期間:令和5年3月下旬〜遅くとも令和5年11月30日(予定)
登録の済んだ事業者は、随時発表されます。契約するリフォーム業者が登録事業者になっているかどうかは、工事を開始する前に確認しましょう。交付申請時期は、すべての工事の完了後です。期間内に工事が完了しない場合は、補助金の申請はできません。
なお、交付申請の締め切りは予算の執行状況に応じて公表されます。工事着工後には、交付申請を予約することもできます。予約によって、補助金が一定期間確保されます。
ただし予約後3ヶ月以内に交付申請が無かった場合、予約は取り消されます。また、予約は着工から交付申請までの期間に予算の確保をするためだけのものです。指定の期間内に交付申請を行わない限り、補助金交付は確定されません。
他の補助金と併用できる?
本事業は、「こどもエコすまい支援事業(国土交通省)」や「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業(経済産業省)」と申請のワンストップ対応が予定されています。いずれの申請も事業者が行い、工事発注者の手続きはありません。
複数の事業を併用する場合、同一の工事を対象にすることはできません。たとえば「こどもエコすまい支援事業」では「開口部の断熱改修」として、窓の断熱リフォームが対象になっています。これは、先進的窓リノベ事業を申請した製品に重複して利用することはできません。
補助金額は、リフォーム工事を行う窓の性能によって違います。どちらの補助金額が多くなるかは、申請の前に確認しておきましょう。また、既に「こどもみらい住宅支援事業」の事業者登録が済んでいるリフォーム事業者は、所定の手続きを行うことを前提として、12月16日時点からの工事着工が可能です。そのほか、併用できるリフォームに関する代表的な補助制度は以下のとおりです。
- こどもみらい住宅支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業及び集合住宅の省 CO2化促進事業
- 次世代省エネ建材支援事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
- 住宅エコリフォーム推進事業
- 住宅・建築物省エネ改修推進事業
おわりに
いかがでしたでしょうか。いずれも「請負工事契約が別であること」等の条件があります。併用での申請を検討している場合は、それぞれの要件を確認してくださいね!
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