今さら聞けない!「都市ガス」とは?利用するメリットや注意点も網羅的に解説
知っ得豆知識
「都市ガス」をご存じですか?
普段の生活で利用しているガスですが、自宅で利用しているガスの種類を知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では「都市ガス」の基本的な知識や利用するメリット、同じガスである「プロパンガス」との違いなどについて解説していきます。
都市ガスとは?基本的な知識から解説
都市ガスとは?主成分や種類について
都市ガスとは、主に都市部で供給されるガスのことを指し、主な原料は天然ガスです。
天然ガスはメタンを主成分としており、少量のエタンやプロパン、ブタンなども天然ガスには含まれています。主成分であるメタンが都市ガスの発熱量の秘密であり、エネルギー効率がいいため、生活における幅広い用途において使用されます。
都市ガスは地下に通されたガスの導管を通じて供給されるため、地下のいたるところにガス管がある都市で主に利用され、住宅地が比較的密集していない地方の方では使われない傾向があります。
都市ガスの特徴は?
都市ガスの特徴は、原料である天然ガスが燃焼時に排出する二酸化炭素の量が少ないのが特徴です。二酸化炭素の排出量は石炭を燃焼した時の約半分、石油を燃焼した時の約70%のため、地球温暖化の抑制に繋がります。
また、2022年の石油の元となる原油の産出国ランキングによると、上位8カ国中4カ国がサウジアラビア、イラク、アラブ首長国連邦、イランなどの中東が上位に位置づけしており、産出国が集中しています。しかし天然ガスは世界各地で算出されているため、供給が安定していると考えることができます。
参考:日本貿易振興機構(ジェトロ)「2022年の中東での石油生産は前年比9.2%増の日量3,074万バレル」より
本来都市ガスは無色かつ無臭ですが、ガス漏れなどをした時にすぐに気づいて被害が広がることを防ぐ目的で、わざと臭いがつけあります。
ガス機器の役割と都市ガス・プロパンガスがどのように利用されているか
ガス機器は、調理や給湯など生活における様々な場面で重要な役割を果たします。最近は家庭で利用するエネルギーを全て電気にする「オール電化」というプランも出てきていますが、多くの家庭においてガスは日常生活で欠かせないエネルギー源です。
都市ガスは主に都市やその周辺の地域で利用されており、整備された供給網によって安定したガスの供給が可能になっています。
プロパンガスは、都市ガスが供給されていない地域で利用されており、供給方法が配達のため、災害時でも道が利用できれば供給が途絶えないというメリットがあります。
次からはさらに都市ガスとプロパンガスという、2種類のガスの違いについて解説していきます。
都市ガスとプロパンガス(LPガス)の違いとは?
都市ガスとプロパンガスの基本的な違い
原料や主成分における違い
都市ガスはメタンが主成分である天然ガスが原料です。天然ガスは二酸化炭素の排出量が少ないことから、地球温暖化が進む現代において注目されているエネルギー源になります。
一方でプロパンガスはプロパンやブタンを主な成分とする液化石油ガスです。
熱量はプロパンガスの方が優れている
都市ガスはプロパンガスよりも熱量は劣っています。
プロパンガスの熱量が1㎥あたり24,000kcalであるのに対し、都市ガスは1㎥あたり約10,750kcalと、半分以下しかありません。
そのためお湯を沸かす時など熱が必要な場合、都市ガスはプロパンガスの2倍以上の量が必要になります。
都市ガスとプロパンガスの供給形態の違いとは
供給エリアは、都市ガスが都市を中心に供給をしているのに対して、プロパンガスは全国に対応しています。
この理由はとても単純で、消費者にガスを届ける方法の違いです。
ガス管が必要な都市ガス
都市ガスは地下に都市ガスを届けるためのガス管を設置し、設置したガス管を通じてガスを届けるため、ガス管が設置してある地域でしか届けることはできません。
お客さんが少ない地方では、ガス管を埋設する費用に対して利益が得られないため、必然的に消費者が集中している都市部に供給先が集中します。
全国に運ぶプロパンガス
プロパンガスの供給方法は、ガスをボンベに詰めて、それを各業者が消費者の元まで運びます。
消費者が集中していなくても、配達方法が人力となるため、場所に定められず全国へ運ぶことが可能になります。
都市ガスのメリットとは?
都市ガス使用の経済的メリット
料金において一般的には、都市ガスはプロパンガスに比べて安価であるとされています。
主な理由は2つです。
都市ガスは配送コストが不要
都市ガスは地下にあるガス導管を通じて供給され、プロパンガスはガスボンベを業者が配送します。
都市ガスはガス導管を設置するための費用が掛かりますが、毎月コストが掛かるわけではありません。反対にプロパンガスは業者がガスボンベを一定期間で配送する必要があります。
そのため、配送コストが費用に含まれ、都市ガスよりも高くなることが多いです。
同じ企業間で競争がある
2017年にガス会社の選択が個人や家庭に委ねられるまでは、都市ガスは公共料金であり、料金が規制されていました。
ガス会社の選択が自由になったことで、各会社が自由に金額を決めることができるようになり、より多くの顧客を得ようと価格の競争がはじまりました。
都市ガスの特徴として人が多く集まっている都市に多く消費者がおり、顧客が様々なガス会社を検討することも、競争がより働く理由と言えます。
ガスは日東ガスがお得!
関東県内にお住まいの方は、東京ガスを利用している家庭が多いのではいないでしょうか。しかし2017年から個人が都市ガス会社を選択できるようになったため、各家庭・個人に合ったガス会社を選ぶことが重要になります。
ガス会社を選ぶ基準として、ガス料金を基準として考える方は多いのではないでしょうか。日東エネルギーであれば、東京ガスと比べてガス料金が約3%安くなります。年間で考えると少ないかもしれませんが、今後数十年と考えた時にとても大きな節約に繋がります。
また、WEB申し込みでガス料金が最大5,000円(税込)割引となります。これは非常に大きいのではないでしょうか。
まとめると、東京ガスからガス会社を変更するだけで今後のガス料金が平均で3%安くなり、今なら申し込むと5,000円割引となります。 ぜひ一度検討してみてください。
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都市ガスのデメリットと注意点
初期費用が高くなる傾向がある
元々プロパンガスを利用していた方は、都市ガスを導入する場合高額な初期費用が必要になることがあります。
プロパンガスはボンベを配達してもらって、それをガス機器と繋ぐだけですが、都市ガスの場合専用のガス管が必要になります。そのガス管を自宅に通す工事が必要になり、1mあたり1万円前後掛かります。平均では道から自宅の距離が10mから15mとなるため、単純計算でこの工事に10万円から15万円程度掛かります。
また、プロパンガスと都市ガスでは熱量や圧力が異なるため、ガス機器の交換や部品交換が必要になります。部品交換であれば数万円程度で済みますが、ガス機器を交換するとなると、金額は大きくなります。
災害に弱い
都市ガスのデメリットとしては、災害時の復旧に時間を要する可能性が高い点です。
人力で届けるプロパンガスとは異なり、都市ガスは地下に埋設されたガス管を通じてガスを供給します。そのため災害でガス管に支障があった場合にはガスの供給ができなくなり、それが大規模で起きてしまうと、復旧に時間が必要になる可能性があります。
地震などの災害が多い日本では、決して無視できないデメリットになります。
都市ガスと電気・オール電化との比較
オール電化とは?
オール電化とは、ガスを使わず、家庭内で利用するエネルギーを全て電気で賄う仕組みのことを指します。
ガスを利用しないため、火を利用することが無く火災などの発生確率が下がるため、安全性の面から注目を集めています。
オール電化のメリット
オール電化ではガスを利用しないため、ガスの基本料金や使用料金を払う必要が無くなります。電気の使用量は増加してしまいますが、ガス料金を払わなくてもよくなるため、支出が一本化され、管理をしやすくなります。
また、災害時の復旧の速さもメリットです。内閣府による首都直下型地震が起きた際の各ライフラインの復旧目標日数は、電気が6日、水道が30日、ガスが55日と、電気が一番早いと発表されています。そのためオール電化にすることは、災害時の生活の回復が早期に見込めます。
オール電化のデメリット
オール電化は初期費用が高額になる傾向があります。オール電化を採用する際は電気を利用する機器に変更する必要が出てきます。例えば給湯器のエコキュートやIHヒーターなどです。それらの機器を購入・設置するための費用が必要となります。
また、家庭で利用するエネルギー全てを電気で賄うため、停電が起きた際には全ての生活で用いる機器が使用できなくなる可能性があります。
これらのデメリットも考慮した上で検討してみてください。
電気と都市ガス併用のメリット・デメリット
オール電化ではなく、「電気と都市ガス」の両方をバランスよく併用することで、双方のデメリットを補えることができる場合があります。 ただ、両方を利用することで生じるデメリットも存在します。
併用するメリットとデメリットについて解説します。
電気と都市ガス併用のメリット
日中を家で過ごす方がいる場合においては、コストが低くなる場合があります。オール電化向けのプランの特徴として、深夜料金を安くする代わりに、昼間の電気代が割高になってしまいます。
そのため家事や在宅業務などで日中家にいる方がいる家庭は、オール電化にすることによってコストが高くなる可能性がありますが、ガスと併用することで昼間のエネルギー源をガスにして、コストを抑えられる可能性があります。
また、停電が発生した場合においても、ガスの供給が停まっていなければ、食材の調理をしたり、お湯を利用することができます。
電気と都市ガス併用のデメリット
デメリットとしては、電気とガス両方利用するため、両方の契約が必要となる点です。両方する際には、それぞれの契約において基本料金が必要となるので、場合によっては毎月のコストが割高になってしまう可能性があります。
また、地域によっては都市ガスの利用ができなく、プロパンガスを利用するしかない場合があるため、更にコストが高くなってしまう可能性があります。
おわりに
今回の記事では、都市ガスの基本情報や、都市ガスとプロパンガスの違い、都市ガスのメリットやデメリットなどについて解説しました。
2017年に個人や家庭が都市ガスの会社を自由に選択できるようになったため、それぞれの生活に合ったガス会社を選ぶことが可能になりました。
ぜひ一度都市ガスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。