2050年カーボンニュートラル実現を視野に。脱炭素に向けて日本がやっていること
知っ得豆知識
SDGS「Sustainable Development Goals」という言葉は今や、ニュースタンダードな言葉となりました。 あまり知らない方の為におさらいしておくと、以下のような項目があります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
さて、皆様は日本がどのような取り組みをしているかご存じでしょうか。
そこで今回は、「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」「11.住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任 つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「15.陸の豊かさも守ろう」に関わる脱炭素について解説していきます。
脱炭素とは…?
脱炭素とは、簡単に言うと二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを実質排出しないようにすることです。というのは、排出量を0にするのではなく、スギやヒノキのような植物などを用いて温室効果ガスを吸収する量と温室効果ガスを排出する量を同じもしくはそれ以下にさせようということです。
二酸化化炭素排出量の多い日本で、これを実現しようとすると生半可な施策でほぼ実現不可能といえます。そのため、ZEH住宅新築の推進などの補助金事業などで、「国」「会社」「個人」のレベルで脱炭素に向けて団結できるようにしているわけです。
そもそもなんで脱炭素を目指すのだろう?
そもそも世界的に脱炭素を目指す理由は大きく分けて2つあります。地球温暖化と天然資源の枯渇です。
地球温暖化
地球温暖化は、地球上の気温が上昇する現象です。これは、人間活動によって大気中に排出される温室効果ガスが増加し、太陽からの熱を逃がさずに地球を温めるため起こります。その影響はどのようなものなのでしょうか。
気候変動
平均気温の上昇により、気候が変動しやすくなります。異常な気象現象が増加し、災害や農作物への影響が深刻化します。
水の問題
気温上昇により、氷河や氷床が融解し、海面が上昇します。これによって、低地や島嶼部の浸水リスクが高まります。また、降水パターンの変化により、一部の地域では水不足が生じる可能性もあります。
生物多様性の喪失
気候変動は生物多様性にも大きな影響を与えます。一部の生物は、環境の変化に適応できずに絶滅の危機に瀕したり、生息地を移動せざるを得なくなる可能性があります。
農業と食料安全保障
気温上昇や降水パターンの変化により、農作物の生育条件が変わります。これによって、食料生産が減少し、食料の供給が不安定になる可能性があります。
健康への影響
気温上昇は、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。熱中症や感染症のリスクが増加し、健康への負担が増える可能性があります。
これらの問題を解決するためには、温室効果ガスの排出削減や持続可能なエネルギーの利用など、脱炭素社会への移行が重要です。私たち一人一人が地球温暖化問題に対して意識を持ち、持続可能な生活を実践することが求められています。
天然資源の枯渇
化石燃料は、石炭・石油・天然ガスのような地球の地下から採掘されるエネルギー源です。これらの化石燃料は長い年月をかけて形成された有機物からできており、私たちのエネルギー需要を満たす上で重要な役割を果たしています。しかし、化石燃料は限られた地下の資源からしか取得できないため、その供給は限られています。このことから、将来的には化石燃料の枯渇が起こることが確実視されています。
必要不可欠なエネルギーが近い未来に枯渇してしまうことが分かりますね。では、天然資源が枯渇するとどうなってしまうのでしょうか。 まず化石燃料が枯渇すると、エネルギー供給が不安定になる可能性があります。これは、私たちの日常生活や経済活動に大きな影響を及ぼすことが考えられます。
また、化石燃料が希少になると、供給不足により価格が上昇する可能性があります。これによって、エネルギーコストが高騰し、私たちの生活費や経済活動に負担がかかる可能性があるでしょう。
脱炭素に対する日本の取り組み
日本は脱炭素への取り組みを重要な政策課題と捉えています。一体どのような活動をしているのでしょうか。代表的な施策を紹介していきます。
再生可能エネルギーの導入促進
太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入を推進しています。日本は、再生可能エネルギーの普及に向けた法制度や経済的なインセンティブを導入し、再生可能エネルギー発電容量を増やしています。
建築物や家電のエネルギー効率向上
建築物や家電製品の省エネ基準の強化を行っています。また、エネルギー効率の高い建築物の普及やエネルギー管理システムの導入を支援しています。
電気自動車(EV)の普及
電気自動車の導入を促進するため、充電施設の整備や補助金制度の充実を行っています。また、EVの普及に向けたバッテリー技術の研究開発や充電インフラの整備にも力を入れています。
水素社会の推進
水素を利用したエネルギーシステムの構築を目指しています。水素製造技術の開発や水素を利用した車両やエネルギー供給システムの普及を進めています。
カーボンニュートラル宣言
日本政府は、2050年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素排出量を実質ゼロにする)を達成することを目指す「カーボンニュートラル宣言」を行いました。これに向けて、政策や技術の研究開発、国際協力などを推進しています。
持続可能な都市開発
日本では、持続可能な都市開発を進めるための政策や取り組みが行われています。公共交通の整備や省エネビルの建設、再生可能エネルギーの利用など、地域ごとの特性に応じた取り組みが行われています。
これらの取り組みに加えて、日本は国際的な枠組みであるパリ協定に対する取り組みや、環境技術の研究開発、国際協力などを通じて、脱炭素社会の実現に向けたリーダーシップを発揮しています。また、脱炭素とカーボンニュートラルは同じ意味の言葉です。
新しいLPガス
脱炭素を目指すためには、LPガスを見直す必要があります。LPガスは家庭や事業所のエネルギー源として広く活用されていますが、石油などの化学燃料を原料としており、二酸化炭素の排出が問題視されてきました。LPガスとは、気体燃料であるプロパンやブタンを液化させたものをいいます。身近な物ではライターやカセットコンロの燃料や火力発電の燃料に使われている、必要不可欠のエネルギーです。
そこで今、注目されているのがグリーンLPガスです。グリーンLPガスとは、従来のグリーンLPガスと同じくプロパンガスやブタンガスを原料としていますが、石油などの化学燃料を使用することが少なく、バイオマスや再生可能エネルギーからの製造を基本とした燃料です。
グリーンLPガスは、二酸化炭素の排出が少なく、環境にやさしいエネルギー源として注目されています。LPガスと同じように使用する事ができ、家庭や事業所などでエネルギー源として利用することができます。グリーンLPガスの導入には、設備の改修や専用タンクの設置が必要になる場合もありますが、省エネルギー効果や環境への貢献は非常に大きなものと言えます。
おわりに
脱炭素とは何か、日本がどのような取り組みをしているのかをここまで解説してきました。少しでも脱炭素の事について興味を抱いていただき、生活やライフスタイルにどう取り入れるかを考えていただくきっかけとなればと考えています。これから先どのような対策が取られるのか、どのようなテクノロジーが開発されるのか、日本と脱炭素について引き続き注目です。