使い過ぎは夏風邪のもと?節約の視点から夏のエアコン使用を考えてみよう!
知っ得豆知識
夏本番。うだるような暑さについついエアコン使用量が増えることでしょう。
エアコンの出番が増えると、のどの痛みや咳が出る夏風邪を引いてしまう方も多いのではないでしょうか。
またついついエアコンを使い過ぎてしまい、電気代が高くつくとため息が出てしまいますよね。
そこで本記事では夏風邪と電気代の節約に焦点を当てて、夏のエアコン利用について解説いたします。
夏のエアコンで夏風邪を引く!?
夏風邪を引きやすいケースとして挙げられるのが、就寝時にエアコンをつけっぱなしにすること。
これは必要以上に体温が下がり、体温をあげようと体が活動してしまうことで肉体の休息を阻害してしまうことが大きな原因です。
また、エアコンが効き過ぎて空気が乾いた室内では、鼻、喉などの粘膜が乾燥しやすくなります。
粘膜は細菌やウィルスをくっつきにくくする役割がありますが、喉がカラカラに乾いた状態だと、細菌やウィルスが付着しやすく、炎症を起こし腫れや痛みの原因となるのです。
体を冷やし過ぎ、かつ粘膜が乾燥してしまう、いわばダブルパンチの状態は免疫のバランスを崩してしまう可能性が高まってしまうということですね。
また、室内外の急激な温度差にも注意が必要です。温度差が大きいと体の様々な機能を調節する自律神経の働きが乱れ、体温調節や新陳代謝が上手に働かなくなり、免疫力の低下につながります。
オフィスやカフェ、レストランなど、自分で温度調節ができない場所では、エアコン対策となる羽織れるものを持ち歩くと良いでしょう。
夏風邪を引き込まないように気をつけること
夏風邪を引かないようにする上での大前提は「冷やし過ぎない」「直風に当たらない」ことです。
体感温度は性別や年齢、体格などによって個人差がありますが、設定温度を26〜28℃の振れ幅に留めると良いでしょう。目安としては28℃が理想の温度です。
特に成長中の子どもの体は体温調節機能も未熟なため、大人よりも冷えやすいです。
また、エアコンの効いた部屋では暖かい空気が上に集まり、冷たい空気が下に溜まるので、大人の高さでは丁度良い温度でも、子どもの高さの生活圏では温度が低くなりすぎるため、子どもが風邪をひいてしまうことがあります。
子どもと一緒に過ごすときは、このことも気にかけて、子どもの高さのところに温度計をおき、そこが28℃になるような温度設定にすると良いでしょう。
夏にエアコンを使用する際は以下のようなことに気をつけてください。
- エアコン設定温度は26〜28℃
- エアコンの効いた部屋と外気との温度差は5℃程度が目安
- エアコンの風に直接当たらない
- 就寝時は眠り初めの2〜3時間で切れるようタイマーを設定する
- エアコンで冷え過ぎないよう衣類を調節する
また、エアコン以外の原因で風邪を引いてしまうことも意識しておくと良いでしょう。体を冷やし過ぎず乾燥を避けることを念頭に、
- 座りっぱなし、寝っぱなしではなく適度に軽い運動をする
- 冷たい飲料や食べ物ばかり食べない
- 夏でも浴槽に湯をためて入浴する
など夏でも体温を上げる工夫を生活に取り入れることで、格段に風邪を引きにくくすることができます。また、ストレスを溜めず手洗いうがいを徹底するなどの基本的なことも大切です。
節約の視点から夏のエアコン使用を考える
健康面以外に気になることといえば「電気代」なのではないでしょうか。
エアコンには室内機と室外機がありますが、これらを経由しているパイプの中に冷媒という液体を循環させ、液体を気化させて冷却をしています。つまり、液体が蒸発するときに周囲から多量の熱を奪う性質を利用して空気を冷やしているのです。
この性質上、温度変化が大きければ大きいほど冷媒を循環させるエネルギーが大きくなり、より電力を消費するので、必要以上に冷やそうとしたり、外気との温度差が激しいと電気代も跳ね上がります。
この仕組みを理解していると、なるべく温度変化をさせないよう工夫する必要があることがお分かりになりましたでしょうか。実は夏場において、エアコンの設定温度を1℃上げると、約13%もの消費電力を削減できるといわれています。
上手に電気代を抑えるテクニック
エアコンの冷房機能の仕組みを理解すると、自ずと電力を抑えるコツが分かってきます。
具体的には以下のような対策を取り入れると良いでしょう。
自動運転機能をONにする
まず、エアコンの自動運転機能がある場合は積極的に活用しましょう。
自分で温度や風量を調節することは手間ですし、何より電力消費の効率が悪いです。設定温度になるまでは強風で運転し、設定温度になったら自動で弱運転となるので、勝手に節約してくれます。
扇風機やサーキュレーターと併用する
気体の性質として、暖かい空気は部屋の上に、冷たい空気は下に溜まります。
普通にエアコンを作動させているだけだと、部屋の中に温度の違う空気の二層構造が作られることを意味しています。エアコンは部屋の上部に設置されていることが多く、上部の暖かい空気をベースに冷やし続けてしまいます。
そのため、扇風機やサーキュレーターを使用して空気を循環させることにより、遠くまで空気を送ることができ、節電になります。
なるべくエアコンの風向きを水平に、扇風機やサーキュレーターは少し離れたところに設置し、エアコンに背を向けて送風すると効率よく空気が行き渡るでしょう。
フィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルターは思っているよりもずっとチリやホコリなど汚れがたまりやすく、気化と液化を繰り返すためカビの温床にもなります。
これらは冷房本来の機能を低下させ、健康面でも良くない影響を与えるでしょう。
そのため、2週間に1回程度は清掃をおこない、常に清潔に保つことも非常に大事なことです。また、外にある室外機の掃除も忘れずに行い、周りにはものを置かないようにしてください。
おわりに
猛暑が続く真夏の日々にはエアコンは欠かせません。お部屋の広さや天井の高さはそれぞれの家庭によって異なりますが、気をつけることは共通しています。夏風邪を引かず快適に夏を乗り越えるためにもエアコンと上手に付き合いましょう。